瞳の向こうへ
私の余計な?手話のヤジのおかげで、最終回を迎えてどちらも得点が入りません。

向こうのベンチはお気楽ムード満点に比べ、こちらはお通夜ムード全開。

そうなんです。

いまだノーヒットなのです。

疲れが見えた後半、三連続四球で満塁のチャンスはあったけど、最後はバット折られてピッチャーフライ。

熱い声援を軽く受け流してベンチに戻る翔君を目の当たりにして青柳君は腕組みしたまんまだった。

「負けるな〜これは」

誰もが言いたかった言葉をマネージャーが言っちゃいました。

「……かもな」

「キャプテンがそんなこと言ってどうするの!」

「そうだぞ!そんな弱気ならキャプテンこの尚太サマに代わろうか?」

「…………みんな!!最後まで諦めるな!」

自分に言い聞かせているようにも思えてならない。

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