瞳の向こうへ
ふと、疑問に思った。

「サインは大丈夫だよね?」

「心配するな」

青柳君が断言した。

女子の声援が凄い。

翔君のストレート初めて見た。

「はやーい!!」

「でしょ!!」

得意気な紗弥加ちゃん。

将来のエースはあたしのものよって顔に書いてありますねえ。

あっという間に三年生の攻撃が終わった。

しかも三者三振。

ベンチに戻る途中翔君が振り向いた。

『勝ったら、帰り一緒に帰りましょう』

なんてちゃらい男だこと。

『一本もヒット打たれなかったらね。打たれたらさっきのこと実行』

『鬼!悪魔!!』

不満そうにベンチに戻っていった。

「とにかく、序盤戦は仕方ない。後半畳み掛けるぞいいな!!」

「おう!!」

思わず私も声を出しました。

< 51 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop