瞳の向こうへ
こんなとこ彼女に見られたら修羅場間違いなし。

一度そんなスリルを体験してみたい思いはあるんです。

でも、知り合いにさりげなく聞いてみたら、人が変わったようにアドバイスというか諭されたような。

『あ、彼女待ってるんだよね?部外者は早く帰りますよ』

外へ向かって歩き出した時、背後から腕を掴まれた。

「え?え?」

私がびっくりして振り向くと、翔君が私の腕を掴んでいた。

……至近距離。

近い。

同じだ。

青柳君と対決してた目で私を見つめてる。

『彼女はいない』

『冗談はよしてよ』

『彼女は……目の前にいます』

やめてえ!

それって私のことだあ。

いまだに二人っきり。

告白まだなんだけどなあ。

『……彼女はこれですよ』

天敵スマホが私の頬に。

……ですよねえ〜。そうだよね〜。

『さようなら。月綺麗ですよ』

『バイバイ』

翔君を見送って、私は夜空を見上げる。

言われた通り今日は月が綺麗。

流れ星は見れないかな。

願いごといっぱいあるんだよね。

欲深い私をどうか許してください。

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