瞳の向こうへ

それに、今年の連休は六日まで四日間もあるし、注意が必要よね。


昼休み、最近常連客になってきた青柳君が一人でやって来る。


「野球部ってゴールデンウィークも練習なんだよね？」


「一日だけ練習ですよ」


「さすが源先生」


「さすがですよ」


テーブルに置いてあったメロンパンに手を伸ばす青柳君。


「俺的にはちょうどいいですよ。いろいろ疲れるんですよキャプテンは」


「わかる」


ホッとしたような笑みを見せる青柳君を見てるとたくましく思える。


「この休み利用して葵と手話合宿やろうかと計画したんですけど、肝心の葵大先生が旅に出るって」


「あー、聞いてるよ。甲子園見てくるって」


「なんでまた」


「野球部が甲子園行けても、私は外出禁止だからその前に応援がてら行くって」


その話は昨日本人から聞かされた。