瞳の向こうへ
「でも、私の手話はみんなに理解出来るだろうと思ってますから、特には緊張はしないです」


「去年言ったセリフだ」


「それしか言えることがないので……。やるからには真面目に。夏は真面目な乙女にチェンジしますので」


「お!恋愛封印か?」


「もちろんです!」


「目が泳いでるぞ〜」


潤子先生のツッコミに頭を抱えそうになった。


この大人は……いや、もういいや。


「恋愛は自由だからね」


松井さんは励ますように私に向かって言った。


「松井さんは彼氏さんと順調だもんね〜」


潤子先生の奔放な攻撃が止まらない。


「こら!ここはこんな話するとこじゃない!」


「だって〜時間ありすぎだし〜。独身女性の恋バナ聞きたいし〜ねえ?」

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