身勝手な恋情【完結】

「蓮さん、お飲み物持ってきましょうか?」



気を取り直して、彼のいう「面倒をみる」を実行に移すことにする。



「水」

「はい、わかりました」



私に一瞥も寄越さないままうなずく彼。


本当に子供みたいな目で、どこかけれん味のある、古いヨーロッパの貴族の館を模したような壁や床を見つめている。

放っておいたら、そのまま床にでもはいつくばりそうな勢いだった。


仕方ない。私は彼の才能に、外見よりも何よりもまず惹かれたんだから。

こういう蓮さんが好きなんだから。

立花薫の設計した小劇場よりも、普段よりいい格好をしただけの私に興味を示すような蓮さんなんて、なんか違う!って思うし……
(悲しいけど)


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