身勝手な恋情【完結】

彼に他意はないのはわかっているけれど、渋くて上品で端整な、これほどのいい男にこんなことを言われて舞い上がらない女がいるだろうか?

いやいない。

っていうか、こんな機会二度とないだろうな。

とりあえず明日、和美に自慢しよう……!


タクシーからわざわざ降りて、私がマンションの中に入るのを見守ってくれている彼を振り返りつつ、何度も頭を下げ自分の部屋へと向かう。



「――ふんふんふ~ん♪」



思わず鼻歌までこぼれる。



「――ずいぶん上機嫌だね」

「うひゃっ!?」



突然声を掛けられたことに飛び上がらんほどに驚いて。

そして私の部屋のドアにもたれる蓮さんの姿に、二度驚いて――。



「蓮さん……」



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