身勝手な恋情【完結】

焼き鳥屋さんから徒歩数分。警備員さんに一声掛けてエレベーターに乗り込む。

フロアの廊下は非常灯のみで薄暗い。

けれど高槻デザインスタジオのドアから明かりが漏れているのが見える。


ああ、やっぱりいた!


ドアに手を伸ばした瞬間、バタン、と中から人が飛び出してきた。



「わっ!」

「きゃあっ!」



倒れそうになる私。けれど肩に手がのりとっさに引き寄せられる。



「ご、ごめん、ちょっと急いでて!」



それはやけに焦った祐さんだった。



「祐さん、いえ、すみません、私こそ何も考えずにドア開けちゃって……!」

「あ、蓮、まだ中にいるから! あとはよろしくね!」

「はっ、はい……!」



コクコクとうなずきながら、携帯を握りしめた祐さんの背中を見送る。


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