Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
「エレノア、どうしたの? 何かあった?」

 ローラも顔を動かした。キャサリンたちの遺体が見えるなり、瞳を閉じて顔を背けた。

「何者かに襲撃されたのだ。あんな輩がすぐ入れるような場所だとは、思わなかった」

 ダグラスが不機嫌な顔になる。ケインが厳しい目つきで、ダグラスを見た。

(ケイン、どうしたの?)

 ジョーンはケインの動きが気になった。計画通りに進んでいるのではないのか。ダグラスが計画から逸脱した行動をしているのだろうか。

 事細かに計画を耳にしているわけじゃないジョーンには、ケインの厳しい視線の意味がわからなかった。

「王妃陛下、私たちの部屋でお体を拭きましょう。新しいお召し物も用意します」

 エレノアが気持ちを落ち着けるように、深呼吸をしたあとでジョーンの前に立った。

「そうね。こんな格好でいつまでもいるのは気持ちが悪いわ」

 ジョーンはエレノアの提案に賛成した。ジェイムズの血など、すぐに洗い落としてしまいたい。

 鼻につく血の臭いが気持ち悪かった
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