あの頃より きっと。
雷は切なく唇を噛んだ。

ポケットに突っ込んでいた右手の手のひらが、不意に彩穂の手首を掴んだ。





「…今日は…、俺が傍にいるから………」





優しく掴まれた手首から、雷の体温が伝わってきた。

彩穂は、涙を流しながら頷いた。
< 183 / 477 >

この作品をシェア

pagetop