あの頃より きっと。

難解




***雷side***


――数分前

「何があったんですか、彩穂に」





「平山先輩っ、彩穂追いかけましょう!」





葉山と楠木が、俺の前まで迫ってきてそう言った。

それでも、答えることはできなかった。

俺が黙っていると、楠木が走り出そうとした。





「ちょっと待って」





俺は楠木を呼び止めた。

もう、話すしかない。

今楠木が宮岸のところに行くよりはマシだ。
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