あの頃より きっと。
「今日です…」
「そっか……あ。なぁ宮岸、これから俺とバスケしないか?」
その言葉に、彩穂は顔を上げた。
雷は、目を細めて彩穂を見つめていた。
その表情と、オレンジ色になった空が妙に重なって、彩穂は感動した。
それは、雷の優しさに触れたからなのかもしれなかった。
彩穂はただ嬉しくて、涙を拭った。
「ありがとうございます」
そう言った彩穂を隣につけて、雷は教室から出た。
メニュー