あの頃より きっと。

幸福

翌日、彩穂は髪の毛をしっかりと整えて家を出た。

風磨とは学年が違う。

そのため、教室で風磨を見ることはできない。

登校中に捜せば会える。

彩穂はそう思って走りだした。

学校に近くなると生徒が増えて、ますます捜すことが難しくなった。

彩穂は目を凝らして男子生徒の背中ばかりを見た。

だが、その背中は全て風磨ではなかった。






メールしようかな、と携帯電話を取り出し顔を上げたそのときだった。

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