あの頃より きっと。





叶わないなら、もう近づきたくない――。





彩穂がそう思ったとき、涙が一滴地面に落ちた。

雷のおかげで涙を流さないようにしようと思えたのに、その決心はすぐに崩れた。





『ホントに…ごめん。じゃあな』





この言葉は、自分と風磨を隔てる言葉のような気がした。

自分が一番近い存在だと、浮かれていた自分がバカだった。






もう、玲奈の壁は越せない。
< 234 / 477 >

この作品をシェア

pagetop