あの頃より きっと。
第六章

情緒






「おはよぉー……」





翌日、猫背気味で教室に入った彩穂は、相変わらず勉強をしている麻紀を驚かせた。





「ちょっ…大丈夫?!」





冷静な麻紀も慌てるほど、彩穂の様子は変化していた。

昨日は、彩穂が風磨を追いかけてからお互いに会っていなかった。





「だぁーいじょうぶー…だと思うー……」





「いや絶対大丈夫じゃないでしょ!」





麻紀は席を立ち上がって、自分の席に彩穂を座らせた。

彩穂は、椅子に座るとすぐに額を机につけ、ため息をついた。





「玲奈ちゃんに告られてた…オッケーしてた…」
< 235 / 477 >

この作品をシェア

pagetop