あの頃より きっと。
いつも怒ってばかりの男性顧問は、今日もやはり怖かった。

視線は一点を見つめていて、彩穂は今から自分が怒られるのだろうと思った。

しかし、顧問が不意に彩穂の方を見て、目が合うと拍手をした。

部員全員が不審に思って、ざわついていた。

どうやら、ここにいる全員が状況を理解していないまま整列しているらしい。





「全国大会、出場決定」





その顧問の言葉に、全員は耳を疑った。

もちろん彩穂も、口を大きく開けて唖然としていた。





「ぜっ…全国……」





部員の一人がそう呟いたと同時に、全員の顔が緩んだ。





「全国―――――――っ!!!!!」
< 245 / 477 >

この作品をシェア

pagetop