あの頃より きっと。





「風磨――」





彩穂は涙を流しながら、彼の名前を呼んだ。

どうして風磨がここにいるのかは分からない。

しかし、困っていた自分を助け出すかのように現れた。

彩穂は、安心して余計に涙が溢れた。

麻紀と美優も目を大きくして、ただ風磨を見ていた。

大股で歩いてきた風磨は、全員と目が合う位置に立った。

そして、美優と麻紀に問いかけるようにして話しかけた。





「お前ら、何やってんの?」





背の高い風磨から降る声は、麻紀と美優の涙を一度止めた。
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