あの頃より きっと。





彩穂は頷くと、雷と一緒にカフェを出た。

相変わらず黒く染まった街は、彩穂の気持ちが溶け込んでいるようだった。

意味もなく切ない気持ちになる。

その気持ちは、自分でも知ることができなかった。





「そのパワーストーン、試合の時持っとけよ。それで優勝だ」





雷がガッツポーズを決めた。




「はい!頑張ります!」




彩穂の手のひらの中では赤いパワーストーンが一つ、眩しい光を放っていた。

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