あの頃より きっと。
「助かったわ、ありがと」





風磨が彩穂の隣で言った。





「ねぇ、風磨」





彩穂が立ち止まった。





「何?」





――髪、似合ってる…?





「私の髪、どう…?」





彩穂が風磨の目を見る。

風磨も彩穂の目を見る。

ずっと聞きたかったけど聞けなかった、その言葉。




風磨の唇がゆっくりと動く。
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