敏腕美人秘書のみゆきさん ■
でも、
テレビがついていたということは…
私はテーブルに並べられた新聞を開き、
テレビ欄を開いて
ついているチャンネルの項目を探す。
「多分。これね。
斉藤!
行くわよ。」
朝の情報番組。
今日の特集は、週末の連休に合わせた行楽地特集。
そして、
いま進めているプロジェクトのテーマが『動物』
となれば…
「あ。斉藤!
日傘も忘れないでね」
私は常備している運動靴に履き替えながら
斉藤に立てかけてある日傘を指差した。
今日の薄いグレーの
フェミニンなスーツに
この運動靴が恐ろしいくらい似合わないけど
ヒールでは走れないし。
「行くわよ!」
「深雪さん…社長の場所が分かったんですか?」
「多分ね。」
にっこり斉藤君に笑いかけてから、
私のゆるいウエーブのかかった髪の毛をぎゅっとまとめる。
受付のなっちゃんに
社長を探してくることを伝えてから
足早に会社を後にした。