敏腕美人秘書のみゆきさん ■



社長室ーーといった
しゃれたものは無くて

広いワンフロワの一角を軽く仕切ったようなスペース。

ココが『社長』の居場所。




まぁ、
お目当ての社長は
その場所にいないわけだけど。


とりあえず、
斉藤と一緒に社長の机周りをチェックする。


しっかし、
斉藤が社長を取り逃がすのも今月に入って4度目。

いい加減に
社長のパターンを覚えてほしい。


今日は天気がいいからきっと…


「うぅーん。ねぇ、もしかしてテレビはつけっぱなしだった?」

「あ。はい。
 僕が来た時からついていました。

 社長は…その時はいたんですけど…
 コーヒーと書類を取りに行ったらもういなくて…」

もごもごと
最後の方は聞き取れないくらい小さな声で話す斉藤君にちょっと苛立つ。

「・・・

 だーーかーーらーーー。

 目を離すなって言ってるでしょ?!
 
 何のために秘書してるのよ!」

まぁ、『秘書』の本来の仕事に社長の逃亡阻止というのが無いんだけど。

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