ありえへん!!




行きつけの居酒屋へ


先ずはビールで乾杯


「お疲れ」


「お疲れさまです」


新鮮な刺身を食いながら


「あ、そうだ先輩」


「ん?」


「高山先輩から伝言」


「姉さんから?」


「はい。さっき言おうとして言えなかったからって」


「で、お前に伝言か?」


「はい」


真瀬を見ると…何だか困ったような顔


たぶんろくな話ではないだろう。


ビールを一気に流し込み


お代わりを頼んで


「姉さん何て?」


「はい。あの~」


「ん?はっきり話せ」


「お待ちどうさまです。ビールと大根の和風サラダと鶏の唐揚げでございます」


テーブルに置かれたビールを手にして


「真瀬」


「はい。今週末、合コンに出てくれって」


「合コン?」


またかよ。

姉さん、懲りないお人だね、あんたも。


「はい。それに」


「ん?」


「俺にも出ろって」


何とも情けなそうな。


「お前…合コン嫌いか?いや、もしかして行ったことないとか」


「まさか!普通に生きてきたら一回や二 回は合コン経験してると思いますけど」


「ま、まあな」


『普通に生きてきたら』って、その言い 回しが…


コイツ…飼っていた犬に似てるけど、も う一人似てる奴いるな。


本人は極々普通に話してるつもりだけど聞いてる方はおかしくなる。


ん、似てる、アイツに。





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