ありえへん!!




「真瀬君、大丈夫?」


姉さんの友達が声を掛けるが


「どんだけ飲んだんですか?コイツ」


側に行って


「えっと…ビールとハイボールと…飲める口みたいだから勧めたら」


断りきれずに全部飲んだわけか。


「コイツ、飲んだら直ぐに寝るんだよな。本人が思ってるほど強くないみたい だし。一回寝ると起きないし…高山、 俺、コイツ連れて帰るわ。悪いけど」


「あ、ううん。いいわよ。車頼んでくるわ」


「ん」


財布から金を出し


「これ俺とコイツの二人分ね」


姉さんの友達に渡す。


「ごめんね。無理矢理飲ませちゃって」


「あ~気にしないで。大丈夫だから」


コートを着せて


「先輩、俺も」


寺井…


「いや、いいよ。俺一人で何とかなる。 それに」


寺井の耳元で


「彼女、気に入ったんだろ」


銀行レディーの一人と楽しそうに話をしていた。


「先輩!」


図星か、真っ赤になった。


「車来たわよ」


「ん。ほら真瀬、帰るぞ」


「……」


寺井と両脇を抱えて車に乗せ


「後、頼むな」


「はい。先輩も気をつけて」


「ん。おやすみ」






< 69 / 105 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop