ありえへん!!
「真瀬君、大丈夫?」
姉さんの友達が声を掛けるが
「どんだけ飲んだんですか?コイツ」
側に行って
「えっと…ビールとハイボールと…飲める口みたいだから勧めたら」
断りきれずに全部飲んだわけか。
「コイツ、飲んだら直ぐに寝るんだよな。本人が思ってるほど強くないみたい だし。一回寝ると起きないし…高山、 俺、コイツ連れて帰るわ。悪いけど」
「あ、ううん。いいわよ。車頼んでくるわ」
「ん」
財布から金を出し
「これ俺とコイツの二人分ね」
姉さんの友達に渡す。
「ごめんね。無理矢理飲ませちゃって」
「あ~気にしないで。大丈夫だから」
コートを着せて
「先輩、俺も」
寺井…
「いや、いいよ。俺一人で何とかなる。 それに」
寺井の耳元で
「彼女、気に入ったんだろ」
銀行レディーの一人と楽しそうに話をしていた。
「先輩!」
図星か、真っ赤になった。
「車来たわよ」
「ん。ほら真瀬、帰るぞ」
「……」
寺井と両脇を抱えて車に乗せ
「後、頼むな」
「はい。先輩も気をつけて」
「ん。おやすみ」