アシタのナミダ
「ジュリ、恋って何なのかな?」





でもそんなアナタがかすかに震えた声で囁くから、





「愛って何なのかな?」





私はオヤジを待たせているのも忘れて、ケータイから流れる舌足らずで甘く響く音を聞かずにはいられなかった。





「ヒトをスキになっても、いい事なんか一つもないよ」





いつも私の手を引いていた強いアナタが、今はとても弱い。





あの日、何もわかっていなかった私はアナタの言葉を受け止める事しかできなかった。





「でも、ジュリの事はスキだよ」





もっとアナタの近くにいればよかった。





「それからジュリ、アナタに言いたい事があるの」





そうすれば、今も私達は笑い合えた。





「きっとアタシは、アナタに出逢うために産まれてきた」





もっと傍で、笑えたはずだよね。





「ジュリに出逢えてよかった」





「私もカレンと出逢えてよかったと思ってる」





アナタは何を思っているの?





「だけど怖い事が一つあるんだ」





アナタが見つめるモノ、私にも見えるのかな?





「ただ一つ怖い事は―――」




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