アシタのナミダ
「ジュリは大丈夫?」





と隣にすわる若間さんが訊ねた。





「泣いてもいいんだよ?」





「はい。でも、もう泣けないんです。枯れちゃったのかな」





乾いた笑いをこぼした私の頭に彼は手を乗せた。





「気にする事ないさ。涙はなくならない。いつかまた、泣いてあげればいいさ」





はい、ゆっくり頷く。





「ジュリ、うちの大学に来ないか?」





短い沈黙を、若間さんは突然の言葉で崩した。





「大学、ですか?」





「うん。これからの目的を見付けるためにやってみてもいいと思うんだ」





思いもしなかった。





「でも、今からやっても遅くないですか?」





微笑んだ若間さんは、





「大丈夫さ。ジュリだったらできるから」





そう言いながらぽんぽんと軽く私の頭を叩いた。




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