アシタのナミダ
エピローグ
天国から溢れ出した空の色を映す透き通った海からの風が、軽トラックの荷台にすわっている私の髪をそっとなでていく。





まだ昨日の事のように思い出せるよ。





3年も前なのに。





車が止まり、そんな所に乗せて悪かったな、と微妙なイントネーションで老人は言った。





着いたよ。ここだ。





そう指差す家は間違いなく、あの家だった。





その奥に見えるあの砂浜では、二つの影が遊んでいる。





「帰ってきたよ。トキオ」





首から下げた指輪と薬指の指輪が、左手の中できらきらと眩しく太陽を反射させた。





「約束だったもんね」





二人の、約束。





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