アシタのナミダ
「ごめんね」





アナタが命を懸けて教えてくれた事。





「ほら、待ってるよ」





ヤシの木が風に揺られてさらさらと触れ合う。





「うん、もう行くね。トキオ」





木陰で優しく微笑む彼に背中を押され、ゆっくりと歩き始める。





吸い寄せられるように、私は走り出していた。





砂にミュールが埋もれたけれど、気にする事もなくただ真っ直ぐに。





私に気付いたおばぁが、まだ幼い少女に突然の来訪者を知らせる。





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