ホットココアのキミ
何度も甘いキスの雨を降らせる光輝の首に腕を回すと、そのままソファーに押し倒され、部屋には時計の針の音と二人のキスの水音だけが響いていた。

しばらくして、呼吸が乱れる私を気遣うように離れた唇から後悔がにじみ出るようなつぶやきが聞こえた。

「やべぇ、出かけたくなくなってきた…」

「でも、約束してるんでしょ?」

押し倒されたままの状態の私が下から見上げながら確認すると、少し顔を背けた光輝は少し恥ずかしそうに…

「明日」

「へ??」

「昼飯作ってくれる?んで、そのあとどっかに…」

「ごめん…明日は先約が…」

「そっか…じゃぁ来週末は??」

「今のところ大丈夫!」

「じゃぁ来週末はどこかへデートしよう?行きたいとこある?」

「んー特にないな…週末までに決めておくね!うわぁー楽しみ!」

あまりの嬉しさに押し倒された状態のまま私は光輝に抱きついた。急に抱き付いた所為か、光輝はバランスを崩して二人ともソファに―倒れこんだ。

それからしばらくの時間、私たちは出かける時間まで、ソファーでじゃれ合いながら幸せな時間を過ごした。
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