☆空色の傘☆【完】


落ち着いたのか蒼がまた話し出した。


「でも、中1はなかなか
体調も落ち着かなくて、
なにより薬とかで太ってて…
受験生だった陸も今より
行かなかったしね。
中2になったころは気持ちも
体調も安定して…
体型も今くらいになって…」


「陸にも黙って、公園に見に行ってた…」


恥ずかしそうにはにかむ蒼が可愛かった。


「で?俺に惚れた?」


軽く聞くと…「そうだよ…」と真っ赤っかの蒼に出会った。


それをみた俺も恥ずかしくなり、赤くなる。


「好きになってくれてサンキューな」


そう早口で言うとさらに体が俺の方に寄り添った。


☆☆☆


勢いで蒼の家に来て、いきなりの話しに驚きはしたが、俺が笑っていたら、青空が有ったら、前向きになれると言ってくれたから、今もこれからも、蒼の傍に必ず…居る、そう心に誓った。


夕飯をご馳走になり、公園から帰った陸也に話を聞いたことと、あんなに挙動不審な陸也は笑えたってことを言ってやった。


そして……‥‥


「今まで陸也さんが蒼を守って
きたように、これからは俺が、
蒼の傍に居るから…
もう…大丈夫、だから。」


そう言った俺に後悔してる苦しい顔をほんの少し見せ、直ぐにいつもの明るい屈託のない陸也の顔になって言ってくれた。


「あぁ…任せた…ありがとう…」


と……‥‥



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