【BL】俺がお前にできること




これが、最後のチャンスだと思ったんだ。



だから、俺は……





「おーい、陽向ー」



空き教室から出てしばらく歩いてると、誰かの声がした。



「剛(ゴウ)…」



「こんなとこにいた~。弥生の試合始まんぞ!」



剛は小学校から今までずっと一緒の、幼なじみのような関係。

中学のころ、弥生ちゃんと剛でよく話したものだ。



だから俺の気持ちも、荒れてた頃のことも、みんなが知らないこと全部、コイツだけは知っている。



今の現状も、すべて。




「んー、行く」



「マイペースだなあ、お前は。
弥生の相手、強いって注目されてる1Bだぜ?」




あ、もう瑛知と戦うんだ。

それは見逃せない。




そして、俺は剛と体育館に向かった。




ねぇ、弥生ちゃん?


弥生ちゃんは、もう俺のこと幻滅してるのかもしれないけどさ?


俺は、もう後悔だけはしたくないんだ。






< 165 / 382 >

この作品をシェア

pagetop