【BL】俺がお前にできること
自分の本当の気持ちを、相手にぶつけたのは……剛さんが初めてだ……。
でも、それは、郁馬が頼りないとか
そーいうのじゃなくて、“郁馬だから”言えなくて。
他の人にも、こんな俺の気持ち悪い想い、言えなくて。
もう、頭ん中……ぐちゃぐちゃだ。
「……っ!!」
「え、ちょっ…! 翔太くん!?」
これ以上、剛さんに俺のこと知られたくないと思った。
これ以上、郁馬を悪く言ってほしくなかった。
これ以上……
これ以上……現実を口にされるのが嫌だった。
だから俺は、その場から走って逃げた。