【BL】俺がお前にできること
「はあ……はあ……」
走りすぎて、球技大会よりも疲れた。
それくらい必死に走った。
……逃げたってことは、つまり相手の言葉を全て認めたことにはならないだろうか。
否定できなくて、なにも言えなくて
為す術がないから逃げた……と思われないだろうか。
逃げたあとで俺はちょっぴり後悔した。
階段をのろのろと上り
もうすぐ体育館だなーって息を吐く。
「翔太」
「……あ、郁馬」
「良かったーっ!どこ居たんだよ?探したんだぞ」
「ん、ごめんね。外に行ってた」
「別にいいけど……それより女子バスケの試合見ねぇ?すーちゃんも出るって」
幼なじみなんだから応援すれば?と、郁馬はいつものように笑った。
大丈夫かな、郁馬。
なんか無理して、鈴の名前出したりしてないかな。
もう、吹っ切れたのかな……。