【BL】俺がお前にできること
「ありがとうございます、剛さん」
「いいよ。つか、ここでいいのか?家まで送るって」
「いいです、ここで」
郁馬と待ち合わせしたり別れる場所で俺は、剛さんから離れた。
家なんて知られたくない。
剛さんには助けてもらったけれど、これ以上、俺の領域に入るのは許さない。
俺の中に入ってきていいのは……アイツだけ。
「……俺のこと、もー少し信用してほしいもんだな。まぁ、今はそれでいいけど」
また明日な、そう言った剛さんは
薄暗くなった道を戻っていった。
姿が見えなくなるまで、俺はそれを見送った。
……人前で泣くだなんて、情けない。
もっともっと心、殺さなきゃ……
でも、嫌われた俺がいくら気持ち押し殺しても、郁馬は、もう笑ってくれないかもね……
それでも、
「……会いたい」
―――……郁馬に。