【BL】俺がお前にできること





「翔太」




突然、第三者が現れて、そいつが朝のように走ってきていたことに軽く笑う。


なに、焦ってんの。

べつに鈴とは何もないのに……





「郁くんっ、ゆりちゃんに呼び出されてなかったっけ?」



「あ、すーちゃん……それはもう終わったよ」




「そうなんだ!
それじゃ、あたし達も戻ろっか。ね、翔太?」




可愛らしく笑う今の鈴から、さっきの会話が想像できない。


まぁ、郁馬にはバレたくないだろうけど。



「なに話してたんだ?」


こっそり郁馬に耳打ちされて「内緒」と笑う。
答えられるわけないじゃん。



お前らが両想いだなんて、郁馬はまだ知らなくていい。


これは、勝手な俺のワガママだけどね。







< 266 / 382 >

この作品をシェア

pagetop