【BL】俺がお前にできること
母さんがどうしたの?と心配する声も
僕は無視をして
部屋に戻った。
鞄を放り投げてベットに寝転び
目を伏せる。
ヒナなんて、嫌いだ。
あの日、そう思うように決めた。
そうしないと
僕はヒナの側にはいられない。
あの日に時間が戻るなら
僕は絶対にあんなことは言わない。
早まったりしない。
そうすれば、ヒナは傷付いた顔なんてしなかっただろうし、僕たちは今だって“フツーの先輩後輩”でいられた。
あんなに拒絶したくせに
高校にあがると、ヒナは忘れてしまったように僕に笑いかけてくれた。
しかも、簡単に好きだと言うようになった。
好きだった人が好きだと言ってくれる。
それは嬉しいことなのだろうけど
僕は悲しかった。