Hurly-Burly 4【完】
く、くう~!!
絶対に、滑舌の良い女になってやるわ。
「客が柿食や飛脚が柿食う飛脚が柿食や客も
柿食う客も飛脚もよく柿食う客飛脚。」
よ、よしっ、難易度が上がったが言えたぞ。
あたしに出来ないことなどないっ!
※後ろに並んでるお客さんにブツブツ喋ってる
この人大丈夫かな?と思われてます。
しかし、何故早口言葉になっていたのだ。
あたしは美声を取り戻したというのに、
また喉が渇いてきてしまったではないか。
しかし、ダンディーさん本当に鼻血が
止まらぬほどカッコイイ。
「うっぷす。」
鼻血到来だわね!!
片手で鼻を抑えながら凝視した。
黒髪がワックスで整えられていて、
コーヒーを片手にしているところはまさに
大人の男性というかドキドキしてきたわ。
セクシーさもあってホント鼻血が飛び出そうだ。
「い、イカン!!」
鼻血よ、出るなよと念じる。
ここで鼻血出したらきっと周りの人にあの子
変人だと指をさされるやもしれない。
それこそ、恥ずかしい子になっちゃうわ。
ここはきっちりレディーとして居座んなきゃ。
※むしろ、ポーカーフェイスで鼻息を噴出して
ただの変人にしか思われていません。
しかし、あたし何か忘れちゃ居ないだろうか?
う~む、何か大事なことを忘れているような
気がするのだが思い出せん。
喉元に魚の骨が刺さった感覚で気持ち悪い。
ボーッと考え事をしながら席に戻ろうと思った。
ダンディーさんに手を振って戻りますをアピール
していたら、ダンディーさんが目を細めて笑っていた。
やっぱり、ヤクザの親分には見えないよ。
何かの間違いってことはないだろうか?
いや、別に極道についての知識は皆無だから
危険だと言われてもよく分からないだけだった
かもしれないなと思う。
前に足を出して歩いていたはずがいきなり後ろから
手が伸びてきて腰を捕まえられた。