Hurly-Burly 4【完】
窓の外は聡明な景色で世界で1人取り残された
みたいでやけに寂しく思えた。
ずっとどこか引っかかっていたんだ。
あの秘書の言い方といいあの妙に張り付いた笑みが
何よりも怪しいものだったことを気にならなかった
わけがなかった。
あの日以来彼があたしの目の前に姿を見せることはなかった。
もちろん、あれからじいちゃんにだって会ってない。
もっと脅すなら徹底的なものだとばかり思ったが、
彼の本心が分からない以上は言うとおりに従うしかないだろう。
何れ、この手で暴いてみせる。
チュンチュンという鳴き声がしてふと通った正面玄関の扉を
そっと開けると校庭で部活をしている生徒がチラチラ見える。
トコトコ歩いて鳴き声がするところへ歩くと木の上の小枝に
小鳥が引っかかって鳴いていた。
「あらま、こりゃイカンね。」
鳥を見ると師匠を思い出してしまうわ。
師匠が小枝に引っ掛かるようなミスはしないが、
これは可愛そうだし他人事だとは思えない。
「チャンチュン、助けて」
あら、今小鳥が喋った!
※ただの妄想です。特殊な能力ではありません。
「今、助けに行きますからね。
えっと、どうやって上ろう・・・」
弱ったな、黒タイツ履いてるから気にする
ことなく上ることは出来るが足をかけるところが
なくて上るの難しそうだよ。
兄ちゃんならこれを難なく上ってヤッホーとか
叫ぶんだろうな。
ホント兄ちゃんの運動神経の良さに驚くばかりだが、
もっと兄ちゃんに木の上り方詳しく聞いておくべきだった。
「うっげ」
枝を持つ手に力を加えて木から落ちないように上る。
※周りには分かりづらいところにあります。
「チャンチュン」
「はいはい、只今そちらに向かってますよー。」
待ってて、ちゃんと助けるからね。
怖くないよ、今そこに行くから。
地上からだいぶ進んだところまで来た。
下を見たらひゅるりと木枯らしが吹いた。
落ち葉が悲しげにカラカラと舞った。
お、落ちることは考えんぞ。
あたしは出来る女だもん!