Hurly-Burly 4【完】
馨君の心臓音が聞こえてくる。
な、なんという密着度!!
「い、いけませぬっ!!」
「あはは、日和ちゃん動揺してる?」
なっ、馨君笑うところじゃないよ。
ドキドキ心臓の音が聞こえてこっちまでドキドキしてきた。
「か、馨君、どうしたのよさ!」
「本当に無事で良かったと思って嫌だった?」
「う、ううん、嫌じゃないけど・・め、珍しいなと・・」
紳士な人って人を抱きしめたりするもの!?
こ、これはそうかお決まりの夢ね。
ホントあたしってばこんな理想的な夢まで
見るほど腕が上がったのか!!
「日和ちゃん、危ないこと平気で首突っ込むから
心配でしょうがないな。」
「な、ななな、それちぃ君も言ってたよ?」
あたし、危険人物になってないか。
いや、あたし“ヒロイン”です。
ううん、この物語の“ヒーロー”ですからね!!
「千治は日和ちゃんが出かけてると最近眠れないみたいでね。」
「そんなことも言ってた。」
「日和ちゃん、よく怪我する方?」
「どうなんでしょう?割りと行動派なので気付かない内に
ってのはよくありますね!!」
髪に絡まった落ち葉を払い落としてくれる馨君に地面に
ようやく降ろしてもらえた。
「でも、馨君よく気付きましたね。」
こんな分かりづらい木の天辺付近まで登ってたあたしを
発見できたとは視力いい方なのかしらね!
「電話してる最中に木からいつ落ちてきても可笑しくない
日和ちゃん見つけたらケータイ捨てて来たよ。」
「そ、そんな、ケータイさん拾いに行ってあげないと!!」
ケータイさん落とされて放置だなんて可哀想だ。
くしゃくしゃっと髪を撫でる馨君は優しい手だ。
馨君の瞳が寂しそうにまた揺れた。
「そういえば、馨君お風邪ひいてませんか?」
グッと背伸びして馨君の額に手を伸ばした。
「あ、すいません、手が冷たいかもしれません。」
相変わらず、身長が高すぎるよ。
あたしの必死さを誰か見ておくれ!!
この足のプルプルさ知ってね。
末代まで広めてあたしの頑張りを称えて欲しいぐらい。