Hurly-Burly 4【完】

ふわっと頭に馨君の手が乗っかる。

「良かった、日和ちゃんが無事で。」

「へっ?」

間抜けな声を出して馨君を見るとにっこりと微笑んだ。

馨君のこのホッとする雰囲気が好きだ。

「怪我してないよね?」

「う、うん。ほら、この通り!」

くしゃっと前髪を撫でられるとキュンとした。

「無茶なことしようとしないでね。

こういう時はさ、誰か呼んでくるとかしてくれれば

日和ちゃんが危ない目に遭うことないんだよ。」

優しい馨君の声は落ち着いてる。

「うん、でもね、助けてあげたかったの。

早くどうにかしてあげたいと思ったらつい体が動いてて」

「日和ちゃんらしい話だ。」

「そうかな、ジッとしてられないんだと思うの。

だからね、あたし馨君が言うように誰かにって言うより

前に自分で動いちゃうんだ。あたしの悪い癖。」

兄ちゃんにもそれでよく怒られた。

「悪い癖?」

「うん、よく兄ちゃんに叱られるの。

木登り得意じゃなかったからだと思うけど、

よくこんなことあったな。」

ふへへ、懐かしい思い出だな。

「木登りが上手じゃなくても怒るよ。」

「えっ?」

首を傾げて馨君を見つめると少しだけ表情を崩す

馨君が寂しそうに呟いた。

「怪我させたくないから。」

「馨君、どう・・・」

どうしたんだろうって思った。

いつも大人っぽくて紳士で優しい馨君だから。

「日和ちゃんいい子だし、可愛いから。

女の子を怪我させるわけにはいかない。」

ぎゅっと優しく抱きしめられた。

まるで、取り扱い注意のモノでも扱うように

大事に壊さないようにそっと。

「うへっ、か、馨君!?

どどどどどど、ど」

完全なるパニックに陥って瞬きを繰り返す。

え、えっと、これ何かの事故的な?

あたしタックルしてないよね!!

もしかして、馨君頭ぶつけてしまった!?

そ、それは大変だ!

早急に、医療班を手配しなければ。

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