Hurly-Burly 4【完】

兄ちゃんの手がサラッと髪を撫でる。

「大丈夫、ひーちゃんが信じてやってるんだ。

ひーちゃんの好きなようにやればいいんだ。

そしたら、ちゃんとひーちゃんの想いは伝わる。」

「に、兄ちゃんに心配かけるような強敵かも

しれなくても?」

「そしたら、兄ちゃんが護衛になってやっつけてやるよ。」

「凶暴犯だったら兄ちゃんに勝ち目無いよ?」

「その時はナオで手を打とう。」

「兄ちゃん、卑怯だ。」

「ひ、卑怯じゃないんだぞ。喧嘩とかしない主義

なんだよ兄ちゃんは!!」

「いや、ナオに任せたらどうなることやら・・・」

彼にはいろいろ学生時代に前科がありますゆえに

むしろ犯人がご臨終だ。

「兄ちゃんは博愛主義で暴力は良くないと思うんだ。」

さっきまで、ぶん殴るって言ってた人のセリフか!!

「全然、護衛に役たたないよ。」

「しかし、ひーちゃんのためなら心を鬼にして

ハエ叩きで戦える愛の戦士に変身出来るんだ!」

「寒い冗談言ってる場合か!!」

どんな、戦士だ。

ハエ叩きで戦うなんて台所のおばちゃんじゃないか。

それにそれは心を鬼にしてやることじゃないだろうよ。

※普段ボケをかます日和ですが、透真のツッコミに

なるとキレがあります。

「ほら、ひーちゃん星が輝いている!」

「・・・何か、兄ちゃんには人を疲れさせる

才能が磨かれてる気がする。」

日頃、真君の心配はしていたけどもここまでとは

真君可哀想に疲労で倒れたら兄ちゃんが看病しに

行くと言っても絶対に家から出しません。

「何を言ってるんだい!ひーちゃん輝かしい未来ではないか。」

「予想以上に疲れるんだよ・・・・」

結局、慰めたいのかただ単に気まぐれだったのか

よく分からないけど、少しだけほんの少しだけ

感謝をしている。

がしかし、そう言うと調子に乗るのであくまで

優しさとして心に留めといてやるんだ。



――――――ありがとう、兄ちゃん。

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