Hurly-Burly 4【完】
ウロウロフロアを移動するあたしは不審な人になった気分だった。
不審者はみんなこんな気分なのかしらと思いながら、
コソコソしてたら知らないおじさんがこんにちわと挨拶
してきたからビビって戸惑った。
こ、このおじさんどこかで見たことあるぞ!
えっと、名前が思い出せないよ。
でも、知ってる人なんだよね。
会ったことはもちろんなかったけど、テレビで
よく見るから顔は覚えてるんだ。
とりあえず、会釈してこんにちわと返した。
ゆ、有名人御用達なのか!
「どこのお嬢さんなんだい?」
お、お嬢さんってとんでもない。
「伯父様に着いて来ただけなんですの。
すみません、お待たせしているのでこれで失礼します。」
ふ、ふぅ。
ウロチョロしてる場合でないよ。
早くレストラン戻らないと誰に会うか分からんよ。
不慣れのパンプスを動かして前に歩くと、
ガンっと額を何かにぶつけて尻餅付いた。
ひぇっー!?
だ、誰かにぶつかってしまったパターン来たか!?
慌ててごめんなさいと謝るとクスリと笑い声が
聞こえて顔をあげると驚いた。
「こちらこそ、女の子にぶつかるなんて
失礼なことをしてしまいましたか?」
「いいえ、あたしがタックルしたようなもの
ですからお気になさらないで下さい。」
い、いや~、何だこのイケメン!
ビックリするぐらい顔整ってますぜ。
さ、最近不良メンバーズがイケメン多いから
慣れてきたはずなのになんてイケメンレベルが
高いお方なんだ。
鼻がスッとしてて髪は少し茶色っぽいような色で、
どっかの俳優さんよりもずっとイケメンでパーマが
かかってるのか跳ねてる。
慶詩の跳ね方とは全然違うソフトな感じだ。
何か、不思議だ。
初めて会ったはずなのにどこかで会ったこと
ある人みたいな気がするのは何故だろう?