Hurly-Burly 4【完】

外は酷く寒くて震え上がりそうだった。

街灯が頼りでスニーカーを滑らせて軽くジョギング

程度の速度で走り始めていた。

せめて、沈んだ気分で帰りたくないのはあたしの乙女

心ってヤツとムシャクシャしてるから走ってやるぜって

浅はかな考えをしたあたしに責任があるな。

はふっ、何となく薄々気付いていたことではあったんだよね。

あの秘書、絶対あたしのこと嫌いだなって思ってた。

だって、嫌がらせにも程がある。

だけど、人にあんな憎まれるのなんて初めてだ。

それなりに、生きてきた経験上で友達も少なくて

喧嘩なんて殆どしたことはないけど、随分と胸が

痛くて酷く損失した気分だ。

人に不快な気持ちを与えないようにしてきた

つもりが、空回りしていたのかもしれないと

分かった瞬間は頭が白くなるもので立ち直るには

だいぶ時間がかかりそうで吐息を漏らした。

白く空中に舞う吐息は冬の澄んだ空気を

吸い込むたびに漏れていた。

みんなも嫌な気持ちをしているのかな?

サユは優しいから何も言わないのかもしれない。

修平君は口下手だし、優しいもんな。

永瀬家みんな優しくてあたしが図々しいのに

嫌な気持ちをしてたのかもしれない。

不良メンバーズだって面倒だって思ってるかも

しれない、馨君だって毎度紳士にしてるけど

心の中では毒づいてるかも!!

ナル君は可愛いく笑う中、イライラしてるとかさ、

京君も本当は来るなとか思ってる可能性はあるよね。

慶詩なんていつも喧嘩口調だし、絶対に快く思ってない。

ユウヤは優しいだけで本当は口うるせんだよとか

野蛮なこと考えてるかもしれないし、伊織君だって

釣れねぇ女に用はねんだよと言ってそうだ・・・・。

ちぃ君も、偉そうなことばっか口走りやがってとか

思ってたらあたしショックで死ねる。

ば、馬鹿者!ネガティブになってどうするのよ。

気分を上げるために走ってるのに、そのスイッチ

押したら今日は元に戻るのは不可になってしまうではないか。

こ、このままではテンション上がらんよ。

何か歌いながら走るべきなのかね!!

ipodは家に置いてきてしまったから鼻歌で

テンション上げてこう!!

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