Hurly-Burly 4【完】
11月だけでこの寒さだ。
今年の冬は絶対寒くなるだろうな。
寒いの駄目なんだよね。冷え性だから夜寝る前とか
コタツの中に入って温まらないと絶対寒くて困る。
毎年防寒対策だけはきっちりするから。
ダーリンを湯たんぽがわりに活用させてもらってる。
鼻水がズビっと垂れる。こんな素敵な服もあたしには
ちっとも似合わないよ。
普通にちゃんちゃんこ着てたほうがまだいいかも。
「こんにちわ、よろしくお願いします。」
また、風船貰ってしまったよ。
小学生だと思われてるのか。
もう15歳のレディーなんだけどな?
ああ、それにしても伯父さんの言葉がまだ
頭から離れないよ。
もう少し考えなおしてくれって言われても
あたしにはもう考えなおしたくない。
長い間悩まされてきたんだよ?
これでいいのかなって思うたび、心が折れそうに
なっては自分で決めたことだって言い聞かせて
諦めて認めたんだ。
一度決めたことには信念曲げたくないよ。
どんなことがあっても貫こうと思った思いを
曲げることなんて出来ないよ。
だって、自分でそうした方がいいって思った。
これが最善の策だって決めたんだ。
何を言ったって変えるつもりはなかったんだ。
夕日に輝く街はしっとりしていて鼻水を啜るたび、
体が冷えていく気がした。
夕焼け色に染まる空には無数の雲が広がる。
薄っすらと紫色のグラデーションで太陽を
奪い去ろうとしている夜空が見え隠れする。
「・・・・おーい」
山彦なんかしてる人が居るよ。
この街も変わり者が多いな。
そういえば、ここ西地区じゃないや。
中央地区まで来ちゃってたんだ。
随分と歩かないといけないじゃないか。
それでも、気分転換には最高かも。
冷たい風が現実に引き戻すから。