Hurly-Burly 4【完】
お肉屋さんのコロッケって美味しんだよね。
いい匂いがするなー。
「おーい!」
まだ、山彦してる人がいる。
ここ山じゃないんだけどな。
しかも、山彦するなら“おーい”じゃないだろうよ。
“ヤッホー”だろうよ!今の若いヤツ何を考えて
居るんだ。全く、笑いを取りたいのか何なのか。
もう少し、笑えることしようよ。
寒くてツッコミすら上手く出来なくなってきたよ。
手が悴んできて冷え性厄介だ。
「おーいってば!」
「うん?」
な、何か聞いたことある声だな。
あたしの耳もついについに病気発生した?
「ヒヨリンだよな?」
「あ、」
居ると思わないじゃん。
ここ西地区じゃないんだもん。
今日、ボーリング行くとか言ってたような?
「自転車漕ぎながら山彦してたの?」
「山彦って何言ってんだ?ヒヨリンかなって
思ったら何かいつもと雰囲気違うしよ!」
「そ、それは紛らわしいことしてごめん。」
「いや、別にそういう格好もするんだな?」
自転車から降りて隣に並んできたのはユウヤだった。
「うん、まぁ、あたしもレディーですからね。
やれば出来る女になれるというものですよ。」
「いつもの服のほうがらしさが出てる。」
言われなくてもそっちのがいいわ!
「に、似合わなくて悪かったな。」
「そういう意味じゃねぇよ。
ヒヨリンそういうの着てるの見ると新鮮っていうか
前にも文化祭でドレス着てたろ?」
「へっ、うん?」
「ああいう姿見たら綺麗だなって思うわけで・・・」
「ふ、ふむ。つまり、あたしの美貌に気付いたか!?」
「そういうこと言わねぇ方がいいぞ。」
真面目な顔して言うなよ。
ユウヤって3トリオで2人に感化されてるのかなって
思いきや意外と純情派なんだよね~。