Hurly-Burly 4【完】
今までが不思議だったぐらいに思わないと。
そっか、体育祭の時会った男も未だ正体不明よ。
「ボコられて意識不明になりそうになった時、
ちぃーが1人で先輩5人返り討ちにしたんだぜ?」
「そ、その先輩って強かったの?」
「当たり前だろ。俺がボコられたんだぞ!」
「いや、ユウヤが弱かっただけじゃないの?」
「ち、ちげぇよ。」
チカチカと星が眩しく煌く。
「それで、ちぃ君にまんまと惚れてしまったわけか。」
「惚れっ、変な意味でじゃねぇーぞ。」
「分かってるよ、だって、ユウヤの目を見てたら
そんなこと冗談でも思わないよ。キラキラしてる。」
「んなことねぇよ。」
「照れるな、照れるな。」
「照れてねぇーぞ!」
「そっか、でもちぃ君、いつも寝てるし甘いもの食べ
てるところしか見ないから想像つかないな。」
「そういう風に見えてちぃーが一番喧嘩強いぞ。」
「へ、へぇ~。喧嘩ってやっぱり不良たちで
縄張り争いみたいなことしてるの?」
「・・・どうだろうな。」
「い、今の間は何だ!?」
「ヒヨリンは俺らにとって期待の星なんだよ!」
「星ならお空に輝いてまっせ。」
あたしはそんな大したもんじゃないよ。
今さっきだってウジウジしてた。
嫌だなとか思って諦めきれないあたしって
すごく格好悪いよ。
「俺はヒヨリンが居てくれて良かったって思ってる。」
「きゅ、急に照れるではないか!」
「全然照れてるように見えない。」
※ポーカーフェイスでも心は照れてます。
「みんな諦めてたんだ。高校生活とかやってけねぇや
って半ばやめようと思ってたって言っただろ?」
「う、うん、馨君が話してたよね。」
「大人なんてもんも優等生とかも学校の奴も
あんまり信用してなかったんだ。」
不良っていうのは繊細な人が多いのかもしれない。
あたしは図太いからちょっとやそっとで折れたり
するようなか弱い子じゃないけど、みんな傷ついて
たくさん辛かったんだろうなとは思う。