Hurly-Burly 4【完】
とことこ歩いていくよっちゃんを追いながらも、
自分がちゃんと隠れているのかチェックしながら
探偵の気分を味わい1人でも楽しんできた。
しばらくすると、景色が変わって見知らぬ学校へ
到着してドキドキを隠しながら電柱で姿を隠し、
様子を伺っていた。
「あ、美男君ごめんね。ホームルーム長くて。」
「今、着たところだから気にしないでくれよな。」
校門にやってきた女の子はよっちゃんが言ってた
通り、確かに可愛らしい容姿の女の子だった。
うむ、確かにあれは守ってあげたくなる女の子だ。
ああいう子が、男心をグッと鷲掴みするんだな。
可愛らしく笑いながらよっちゃんの話を聞いてる
ところを見ると、感心した。
あたしにはあれが出来ないのだから。
笑顔で話をすることが出来ない分、彼女に
それが出来ることに心底安心した。
よっちゃんはいい子を好きになったみたいだ。
何も心配することはないじゃないか。
まぁ、このままよっちゃんがヘタレ出さなきゃ
の話だが、彼女だったら別によっちゃんのヘタレ
を見たところで気にしないでくれるんじゃないか
という考えである程度の距離を保たせながら、
きっちり任務を全うしていた。
しかし、何故だか分からんがカップルロード
通ってる気がする。
ポツンと取り残されたように独り身のあたしが
居るのは場違いな気がしたものの秘密のアイテム
パンチパーマのカツラを被って誤魔化した。
何故か、笑いが絶えなかった気がする。
が、しかし、目立たないようにしてるつもりが
逆に目立ってるような気がする。
トボトボ歩いて追ってると、聞き覚えの
ある声が聞こえて即座にアイテムチェンジ
にちょび髭を付けた。
「マジで大福買いに来るだけで来たのかよ。」
「俺、どら焼きの方がいい。」
「どら焼きも食べる。」
あの、ここに来ても甘いもので討論会しちゃえるんだ?
そういえば、お汁粉まだ作ってなかったな。
今度、ちゃんと作ってやらないとちぃ君に
また変なメール送られて来るに違いないよね。