幕末桜
土方さんの肩を見てみると、少し着物に薄く血が滲んでいた。

(凄く痛そう……よしっ)

「沖田さんっ!!短剣かして下さいっ!!」

「えっ?あぁ良いけど…一体何に…………!?」

沖田さんや土方さんは驚いた目でこっちを見ている。

それもそのばず…

私が沖田さんの短剣で自分の着ていた着物の裾の端を思いっきり切ったから。

そしてそれを土方さんの傷に痛くないように巻いた。

(これでよしっ)

「土方さん、かすり傷だって怪我は怪我なんです。我慢することなんて無いんですよ」

私は微笑みながらそう言った。

「…あっ!!沖田さん!!短剣ありがとうございましたっ!!」

私は笑顔で沖田さんに短剣を渡した。

(…?2人共顔真っ赤…)
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