運命鑑定



―――


『ねーねー、何で1人でいるの?』



ボーッと窓から外を見ていたあたしに声をかけてきたのは、中学1年生という、センパイに目をつけられたらどうしよう、なんて不安はどこへやらな雰囲気の女子。



髪の毛には薄く茶色がかかっていて、癖っ毛なのかふわふわとしたロング。


目はぱっちりした二重で、いかにも友達が周りにたくさんいそうな女の子。



『...1人が好きだから』



ぷいと顔を窓の外に向けるあたしに、尚もその女の子は話しかけてきた。



『え!? みんなと一緒の方が楽しいよ!?』



『...じゃあ、あたしんとこ来なければいいじゃん』



そのときのあたしは、とにかく人が嫌いだった。


みんなには家族がいて、毎日楽しい話をしてゴハンを食べて、学校に来てるんだ、そう思うと無性に悔しかった。



自分には、仕事ばかりの母、男ばかりの姉、論外の父のせいで、家では毎日1人の生活しかなかった。



だから人と関わるくらいなら1人の方がマシと思い、中学生活では友達なんか作らないと心に決めていた。



『いいじゃん、いいじゃん!! 気になるもん。

てことで 加藤 叶華です!! よろしくね!!

ほれ、あなたも自己紹介はっ??』




そんな思いを、いとも簡単に打ち砕いたのはこの女子、叶華だった。




< 101 / 205 >

この作品をシェア

pagetop