運命鑑定
...あたしは無言で顔を横にふった。
抱き締められたり、腕をつかんできたりスキンシップが多いセンパイだけど、はっきりいって、その全てにあたしはドキドキしてしまっていた。
キスの方が、手を繋ぐことよりワンランク上かもしれないけど...キスっていうのは一瞬で終わるものだし、流れでしてしまったし...。
触れているところから体温が伝わってくる、手を繋ぐという行為の方が、恥ずかしい。
そう思って横に振った顔。
「えっ...」
センパイにとっては予想外だと思われる返事に、目を丸くしてあたしを見つめる。
「...すいません。今はまだ...」
あたしはセンパイの目からそらし、あたしたちの足元からのびる2つの影を見つめながら言った。
「まだ、心の準備が...出来てないので」
あたしがそう言うと、あたしとは別の、もう1つの影の動きが止まり、丸くなる。
振り向くと、センパイはしゃがんで頭を抱えていた。
「...?」
何をしているのかと、センパイに近付いてみる。
「...かと思った」
小さな呟きが聞こえる。
「はい?」
「嫌われてるのかと思ったぁぁぁぁ!!」
いきなり立ち上がって言ったセンパイにビクッとした。
「美紅ちゃんっ!! 俺のことキライ?」
うるうるとした瞳で見つめられ、また目をそらす。
「だーめ。 こっち見るの!!」
強制的にセンパイの方に向かされるあたし。