《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
俺たちの前に、リムジンバスが停車。
自動扉が開く。

乗り込むは社長だけ。

俺は社長を見送って、モノレールで美苑夫人と早祐様のいる自宅マンションに向かった。



「ありがとう。緑川君」


「いえ、これが仕事ですから」


美苑夫人は俺をリビングに案内して、コーヒーをご馳走してくれた。


「これが土産です!」
俺は美苑夫人に土産の入った袋を渡した。



「また、こんなに沢山買って…」


「社長の選ぶ顔…仕事よりも真剣でしたよ」


美苑さんは袋を開けて、早祐様に買ったワンピースを出して来た。


「そのワンピースは社長の一押しです」


「そう…可愛い柄ね。本当に早祐に似合いそう」

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